竹田綾夏(たけだ あやか)
株式会社Mirary 代表取締役

「多様性の価値を未来に活かす」

Ayaka Takeda 
Ayaka Takeda

働く人たちのあり方、価値観、企業の姿が新しく生まれ変わろうとしています。 多様な人たちがいきいきと働くためには、個々を結びつける力が必要です。 それがMiraryの考える「インクルージョン(包括)」です。 日本にふさわしいダイバーシティ&インクルージョン施策を、日本とグローバル双方の知見をもとに、企業の未来に向けたご提案をいたします。

慶大文学部卒。米国オクラホマ州立大学社会学部修士(首席)、英語学部修士(MATESL)。同学部非常勤講師として、アジアを中心とした多国籍の学部留学生向け講義を担当。日本大学大学院グローバル・ビジネス研究科修士課程修了(MBA)。2018年法人設立。

多様なバックグラウンドを持つ人たちに対し、自信をもっていただく「エンパワメント」を研修の軸とする。多様性を活かすためのダイバーシティ&インクルージョン(D&I)研修、女性管理職および候補者向け研修、新人・若手向け研修等を行う。ジェンダー、社会学の専門知識もとに、国際会議での司会、各種イベントでの講演、ワークショップ等を実施。

台湾系移民三世。戦時中に日本に渡った祖父と幼少期を共に過ごし、多様性・多文化を経験した。「自分とは、日本人とは、社会とは何か?」という問いの答えを求め、異文化理解、社会学、マイノリティ研究への関心から渡米。社会学、教育学、ジェンダー論、環境・サステナビリティをはじめとする横断的な専門知識を習得した。米国ルイジアナ州の貧困地域や東南アジア諸国での現地調査、多文化・多国籍の教育現場、LGBTQ当事者の同僚と働いた経験を持つ。 ダイバーシティ&インクルージョンの観点から、SDGs、ESGなども視野に入れた、企業における多様性を活かす包括的アプローチを提供している。

元外務省総合外交政策局女性参画推進室調査員。
コーチングツールPoints of You®認定トレーナー
世界女性サミット東京大会(Global Summit of Women 2017)日本人参加者向け講座、 英語ファシリテーション実施
日本最大の動画学習サイトSchoo(スクー)出演(2017)
国立女性教育会館シンポジウム分科会スピーカー(2018)
IAF(国際ファシリテーターズ協会)英語ファシリテーター(2018)
WAW!/W20政府主催国際女性会議分科会司会者(2019)

鐘ケ江織代(かねがえ おりよ)
ミュージックアドバイザー

「答えのない世界で,自分で考え,試行錯誤する」

 

公共施設(コンサートホール/劇場など)で約10年、アートマネージャーとして多くの舞台芸術やコンサートの企画制作、ワークショップなどの普及・育成事業などに取り組んで参りました。アートマネージャーは一般的な言葉ではないかもしれませんが、「アートと社会をつなぐ人」と自覚しています。アートの中でも音楽、その中でも<現代音楽>を中心に西洋音楽(クラシック音楽)の系譜にある現代―今を生きる作曲家、演奏家、作品―をどのように社会と結びつけるか、ということを考え、活動しています。

とはいえ、公共施設の職員時代は「アートと社会をつなぐ」と豪語しながらも、普段の業務に忙殺されるばかり。キャリアを重ねつつも常に「社会って何? 漠然に社会と言ってもなんの説得力もない。説明できない」という危機感を抱えていました。その思いに耐えきれず、社会というものを知りたい、立ち止まって考えたい、と大学院で学ぶことを決意(2020年3月に修了)。修士論文では「アートに全く関心も関わりもない人々が、どのように関わるのか?」という関心の元、英語学校に集った受講生たちが、必修科目で英語劇を自分たちで作り上げる過程をフィールドワークしました。

<素人が素人だけで一から演劇を作る>という過程で見たものは、何が正解かはっきりとわからない中でも、自分たちで考え、試行錯誤し、失敗しながらもそこからヒントを得て前に進むというプロセスでした。そして、そこに集う人々に新しい音楽や音を生み出そうとする姿と重なるものを感じました。「アート」にはこれが正解! というものがない抽象的な世界です。しかし、我々の日常も、実は正解があることなんて無いに等しいと思いませんか? 誰もが失敗や嫌な思いをすることなく正解の道筋を教えてくれたら良いのにな、と思うところですが、仕事や人生においてはそうはいきません。アートとは、答えを教えてくれるわけではない日常を生きるための思考に刺激を与えてくれるもの! 人間に必要な存在として受け継がれ、あたらしい道を常に歩み続けるものであると考えています。

「なぜ、自分はそう感じたのか」
と言いつつも、答えのない世界に直面した時「わからない・理解できない」という感情はあまり気持ちの良いものではありません。しかし、実は感情がぐらついた時こそチャンス。ポジティブなこともネガティブなことも、それに向き合い開示してみると「自分と他者は違う」から出発し、新しい発想が生まれるきっかけになる、と確信しています。この文章をお読みいただいた方の中でも「現代音楽って何?」と思われた方もいらっしゃると思います。正直なところ、私もよくわかりません(!) なぜならば、今までにない新しい音楽・音・表現などは、道なき道を進む過程であり、その先は誰にもわからない未知なる世界だからです。現代音楽の源流である音楽家、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンやショパンなど、誰もが知る巨匠たちに当てはめてみても、今となってはその偉大さを理解することはできますが、当時は斬新な表現の開拓者であり、チャレンジャーでした。自分にとっては<よくわからない>かもしれないが、それは新しい道を開拓するプロセスなのかもしれない。<現代音楽>はそんなワクワクする刺激を与えてくれるでしょう。

「現代音楽なんてわかんない!」 と思った時こそチャンス!
しかし、自分の感情や考え、特に<わからない>という感情を丁寧に扱いながら対象と向き合う行為は、日常、特に仕事中は難しいかもしれません。だからこそ「非日常的に新しい芸術や現代音楽と呼ばれる世界に触れることで楽しみながら体験する」ということが可能となります。これからの時代、コロナ禍が象徴するように今までの常識が覆り、多様性という言葉が表せないほど混沌とした社会状況が予想されます。個々の違いに気づき、その違いを生かしながら創造的な力を発揮する場がより一層求められるでしょう。どんな時代になろうとも、前を向いて一人一人が自分とそして他者と向き合いながら生きる社会に現代音楽プログラムが貢献できるよう努めてまいりたいと思います。

桐朋学園大学卒業(音楽学)。滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール、京都コンサートホールの各事業課を経て、トーキョーワンダーサイト(現トーキョーアーツアンドスペース)では「若手のための現代音楽企画ゼミ」を企画するなど、コンサートやワークショップの企画・制作、若手クリエーターの育成・支援事業等に携わる。その後、青山学院大学大学院社会情報学研究科博士前期課程ヒューマンイノベーションコースにて質的研究を学び、2020年3月修了(学術修士)。国立音楽大学「アートマネジメント実習1」、東京大学全学自由研究ゼミナール「教養としての芸術学」ゲスト講師、東京大学公開セミナー「実践から学ぶアートマネジメント~企画を考えてみよう」の講師を務める。現在、作曲家、学習環境デザイン研究者と結成したパレイドリアンを主宰する他、アートマネージャー、コーディネーター、リサーチャーとしても独自の活動を展開している。

市川雅典 (いちかわ まさのり)
プロフェッショナルファシリテーター トレーナー
及び研修プログラム企画担当

 

パイオニア株式会社を早期退職して独立。海外(マレーシア・ドイツ・米国・カナダ)駐在経験通算17年から得た多様性体験をベースにした人材育成と組織を活性化するファシリテーションを専門とする。グローバルマインドセット研修では、日本とは違う多様な文化や価値観を尊重することで、己の発想や判断力も大きく成長することをお伝えしている。受講人数は4000人超。 大手タイヤメーカーの月次海外赴任前研修は、2021年1月で117回を迎えた。赴任先の文化や価値観の違いに不安を持つ受講者に向け、「取りに行く・自己開示・自己主張」を心がけ、違いの発見を楽しむスタンスが大事とお伝えしている。その結果、自信と期待をもって海外へ飛び立っていただいた。

2012年に日本人として初めてプロフェッショナルファシリテーター国際資格を取得。この資格を目指したきっかけは、カナダ現地法人社長時代に米国人ファシリテーターの手腕に魅せられたことだった。当時の部下のカナダ人が、自分の意見をストレートに表現することが少なく、困っていた。そこで、私の経営ビジョンを社員に共有してもらうよう、米国人ファシリテーターに依頼。彼は社員との合宿を通じて、私の経営ビジョンを達成するために全員が合意できるミッション文章を作成する企画を提案、実施した。多様な人たちが真剣に話し合う姿を目の当たりにし、原点と原点を結び、全員が同じ方向性を持ち、本音で話す大切さを痛感。全員の心を一つにするファシリテーターになると決めて資格を取得した。

ファシリテーションの実績として、日本のメディカル系企業がアメリカの研究所を買収した際のチームビルディングに成功したことがあげられる。買収したアメリカの研究所の社員は研究者が多く、売り上げには関心が低かった。そのため、日本本社が期待する中期ゴールの共有をし、チームワークを良くすることが、私のファシリテーターとしての任務だった。ファシリテーションで大切な3要素は「ゴールと課題の共有、主体性の醸成、解決策を構造化する場の提供」。そこで、まずゴールと課題の共有に向け、参加する米国人に本社が研究所に期待する中期計画を実現するための現状分析に取り組んでいただいた。次に、日本本社の役員と一緒に渡米し、米国社員に本社の戦略とゴールを直接語り、主体的かつざっくばらんに質疑応答できる雰囲気を醸成。解決策を構造化する場の提供として、当事者が一堂に会し、直接忌憚なく意見を交わすための十分な時間を割いた。結果、ゴールの共有が進み、7つの経営課題解決プロジェクトが発足。1週間の会議終了時には、日米両社を横断する役割分担も決まり、両社の想いと行動がひとつになり、チームワークの大幅な改善と実績向上に寄与した。

これからますます多様な人々が多様な働き方をする日本において、ちがいの発見を喜び尊重する風土を実現するお手伝いをします。