インクルージョンという言葉についてご説明すると、難しい、とよく言われます。しかし、誰でも体感して、職場や生活に活かせるとしたらどうでしょうか?
10月4日に外部向けでは初の「現代音楽プログラム体験会」のご報告です。
現代音楽って?
現代芸術の一つのジャンルで、一言で説明するのであればルールのない世界。ジョン・ケージの作品『4分33秒』などが有名です。
音楽って何?学校で習った有名な作曲家の曲?楽器で音を出すこと?
いえいえ。体験してもらうことで、初めてわかります。体験会では、プログラム制作の要である鐘ヶ江織代さんのお話に続き、実際に現代音楽を体験していただきました。
ちなみに、現代音楽プログラムは音楽の知識は一切不要。楽譜が読めなくても、歌が苦手でも、クラシックの音楽鑑賞が嫌いでも大丈夫です。
インクルージョンって?
現代音楽プログラムでは、オンラインであってもワークショップを行います。そこで体感していただくのが「インクルージョン」です。
インクルージョンは「包摂」「包摂」と呼ばれますが、単に多様な人の「存在」だけを意味しません。多様な人と関わりながら生活し、働き、可能な限り互いを尊重し、認める努力をするという「行動」です。
このワークショップは、「いろいろな人がいて、それでいいんだね」という従来のダイバーシティ啓発研修の学びとは一線を画します。また、座学で知識だけを学んでも、インクルージョンを理解し体得することはできません。
お互いの個性やちがいを体感を通じて知り、改めて自分を見つめ直し、職場や生活の場に学びを活かす。それこそがインクルージョンであり、このワークショップの成果です。
現代音楽というテーマに取り組みながら、思いもよらないちがいに直面し、ときに驚き、衝突し、悩み、これまで感じたことのないものを体感する。その過程で共感力が鍛えられ、さらなるインクルージョンと、自分だけでなく周囲を巻き込む力がうまれる。
今回は90分という限られた時間でしたが、まずは現代音楽の持つ力を体験できる会となりました。
実際の企業研修での成果
ワークショップの終わりには、プログラム担当の市川雅典(Max)代表の竹田から企業研修での成果の一部をご説明。
「ちがう人とはあまり関わりたくない」「業務以外の話はしない」と考えていた受講者が、
「少なくとも相手を知ろうとする努力はしてみよう」
と自発的に考えるようになった事例があります。
従来のダイバーシティ研修では、「こうすべき」「こうあるべき」「無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)はいけない」といった話に偏り、具体的な行動変容が促されないこともありました。
しかし、現代音楽プログラムは、インクルージョンという観点から「ああ、そうなんだ」「こうしてみよう」という腹落ちを促します。さらに、座学ではなく自分から気づいて得た学びは、職場や生活で実践しやすく、行動変容に結びつきやすいです。
また、リーダーシップ、コミュニケーション、チームビルディングなどの既存の研修との親和性が高い点が特徴です。リーダーシップ研修に導入した事例では、リーダーシップの多様さを理解し、「自分らしいリーダーシップでよいのだ」と納得された受講者がこれまでに多数いらっしゃいます。
まだまだインクルージョンを体感された事例はあるのですが、詳細については順次サイト、ブログにアップ予定です。